ラウンジ嬢も確定申告が必要?本業・副業の場合の違いを解説
多くの場合、ラウンジ嬢として働く女性は、ご自身で確定申告を行う必要があります。
その最大の理由は、ラウンジで働く女性の多くが、お店と「雇用契約」を結んで給料をもらう会社員やアルバイトではなく、「業務委託契約」を結んで報酬を得る「個人事業主」という扱いになるからです。
個人事業主は、会社に所属する従業員ではないため、会社が税金の計算をしてくれる「年末調整」の対象外となります。そのため、一年間に得た所得(売上から経費を差し引いた儲け)をご自身で計算し、国に所得税を納める手続き、すなわち「確定申告」を行う義務があるのです。
お店によっては、給料制で雇用契約を結んでいるケースもありますが、ナイトワークの世界では「個人事業主」として働くのが一般的である、と覚えておきましょう。
目次
ラウンジ嬢の確定申告に必要な会計処理のポイント
個人事業主として確定申告を行うには、日々の収入や経費を正しく記録・計算する「会計処理」が必要になります。難しく聞こえるかもしれませんが、いくつかの重要なポイントを押さえておけば大丈夫です。
ポイント①源泉所得税の処理
ラウンジから報酬を受け取る際、多くの場合、10.21%の「源泉所得税」という税金があらかじめ天引きされています。これは、お店側が報酬を支払う際に、国に代わって所得税を預かる(源泉徴収する)制度です。
ただし、これはあくまで「税金の前払い」であり、最終的な納税額ではありません。確定申告では、この一年間に天引きされた源泉所得税の合計額をきちんと申告し、最終的に計算された本来納めるべき所得税額との差額を調整します。源泉所得税を払いすぎていれば、その分が還付金として戻ってきます。
ポイント②収入や経費の処理
確定申告の基本は、一年間の正しい「所得」を計算することです。所得は「収入 − 経費」という計算式で求められます。 「収入」には、お店から受け取る基本報酬だけでなく、各種バック(指名、同伴など)も全て含まれます。
「経費」とは、その収入を得るために直接必要となった費用のことです。
ラウンジ嬢の場合、ドレス代や美容代、営業のための交通費などがこれにあたります。この経費を漏れなく計上することが、節税の最も重要なポイントになります。
【経費の例】
- 衣装・美容関連費:ドレス、靴、バッグ、ヘアセット代、ネイル代、化粧品代
- 接待交際費:お客様との同伴での飲食代(全額または一部)、お土産代、プレゼント代
- 交通費:出勤や同伴場所への移動にかかるタクシー代や電車代
- 通信費:お客様との連絡に使うスマートフォンの利用料金の一部
- 新聞図書費:接客スキルや知識向上のための書籍や雑誌の購入費
これらの支払いを証明する領収書やレシートは、必ず保管しておきましょう。
ポイント③消費税の処理
ラウンジ嬢として大きく稼げるようになってきたら、所得税だけでなく「消費税」についても意識する必要があります。 原則として、2年前の課税売上高(報酬額)が1,000万円を超えた場合、その年は「課税事業者」となり、お客様から預かった消費税を国に納める義務が発生します。
また、2023年10月から始まったインボイス制度との関連で、お店との契約によっては、売上が1,000万円以下でも、あえて課税事業者となってインボイス(適格請求書)を発行する必要が出てくるケースもあります。
ポイント④本則課税・簡易課税
消費税の納税義務者になった場合、その納税額の計算方法には「本則課税」と「簡易課税」の2種類があります。 「本則課税」は、預かった消費税から、経費の支払いで払った消費税を差し引いて計算する、原則的な方法です。
「簡易課税」は、業種ごとに定められた「みなし仕入率」を使って、納税額を簡易的に計算する方法で、ナイトワークは第五種事業(サービス業)に該当し、みなし仕入率は50%となります。 どちらの方式が有利になるかは、経費の額などによって異なります。簡易課税を選択するには、事前の届出が必要となりますので、ご自身の売上規模が大きくなってきたら、税理士などの専門家に相談するのが良いでしょう。
白色申告と青色申告は?
個人事業主が行う確定申告には、「白色申告」と「青色申告」という2つの方法があります。
どちらを選ぶかによって、手間や節税効果が大きく変わってきます。
青色申告とは
青色申告は、日々の取引を「複式簿記」という正規の簿記の原則に従って記帳し、貸借対照表や損益計算書といった決算書を作成して申告する方法です。少し手間はかかりますが、その代わりに税金面で非常に大きなメリットを受けられます。
青色申告の要件は?
青色申告を行うためには、まず、ご自身の住所地を管轄する税務署に個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)を提出する必要があります。その上で、原則として、その年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出することが要件となります。
会計ソフトを使えば、簿記の知識があまりなくても青色申告の書類を作成することが可能です。
白色申告とは
白色申告は、青色申告のような事前の届出は不要で、日々の収入や経費を記録する簡易的な帳簿付けで申告できる、手軽な方法です。確定申告の初心者にとっては、ハードルが低いのがメリットですが、青色申告のような特別な節税メリット(特別控除など)は受けられません。
本業でラウンジ嬢として働く場合の確定申告
ラウンジでのお仕事が本業である場合の、確定申告の考え方を確認しておきましょう。
雇用契約を結んでいる場合
もし、お店と「雇用契約」を結び、従業員として「給与」を受け取っている場合は、原則として確定申告は不要です。
この場合、お店側が毎月の給与から所得税を天引きし、年末に「年末調整」を行って税金の計算を完結させてくれるからです。ただし、このケースはナイトワーク業界では比較的稀です。
源泉徴収がない場合
個人事業主として働いていても、お店によっては、報酬から源泉所得税を天引きせず、満額を支払ってくる場合があります。いわゆる「日払い店」などで見られるケースです。この場合でも、確定申告の義務がなくなるわけではありません。
むしろ、税金の前払いをしていない分、確定申告の際に一年分の所得税をまとめて納付する必要があるため、計画的に納税資金を準備しておくことがより一層重要になります。
副業でラウンジ嬢として働く場合の確定申告
昼間は会社員として働き、副業としてラウンジで働いている場合の確定申告の要件です。
年間所得が20万円を超える場合
本業の会社で年末調整を受けている方でも、副業であるラウンジでの年間の「所得」が20万円を超えた場合は、その副業所得について、ご自身で確定申告を行う義務が発生します。 繰り返しになりますが、「所得」とは、一年間に得た報酬の合計額(収入)から、仕事のために使った経費を差し引いた金額です。
収入が20万円を超えていても、経費を差し引いた所得が20万円以下であれば、申告の義務は生じません。
ラウンジ嬢が確定申告を行うメリット
確定申告は、義務であると同時に、正しく行うことで多くのメリットを享受できる、キャスト自身の権利でもあります。
メリット①還付金を受け取れる
最大のメリットは、払いすぎた税金が「還付金」として戻ってくる可能性があることです。報酬から天引きされた源泉所得税は、経費が一切考慮されていない「仮の税金額」です。確定申告で、ドレス代や美容代などの経費をしっかりと計上することで、正しい所得と税額が計算され、多くの場合、源泉徴収されていた税金の一部が還付されます。
メリット②損失を繰り越しできる
これは、青色申告の大きなメリットの一つです。もし、その年の所得が経費を下回り、赤字(損失)になってしまった場合、その赤字額を翌年以降、最大3年間にわたって繰り越し、将来の黒字と相殺することができます。
これを「純損失の繰越控除」と呼びます。これにより、将来の税負担を軽減することが可能になります。
ラウンジ嬢が確定申告を行う際の注意点
確定申告を行う上で、あるいは行わなかった場合に、注意すべき点がいくつかあります
注意点①無申告は重い罰金が課される
申告義務があるにもかかわらず、確定申告を怠ると、それは「脱税」と見なされます。税務署の調査によって無申告が発覚した場合、本来の納税額に加え、ペナルティとして「無申告加算税」や「延滞税」といった、重い追徴課税が課せられます。
「バレないだろう」という安易な考えは、将来的に大きな代償を払うことになる、非常に危険な行為です。
注意点②高額なプレゼントは贈与税の対象となる
お客様から、車や高級腕時計、マンションといった、非常に高額なプレゼントをもらうトップキャストもいます。しかし、個人から年間で110万円を超える価額の財産をもらった場合、もらった側に贈与税がかかる可能性があります。あまりに高額なプレゼントには、こうした税金のリスクも伴うことを、頭の片隅に入れておきましょう。
注意点③住民税が増える
確定申告を行うと、その情報は税務署からお住まいの市区町村に連携され、前年の所得に応じて「住民税」の額が決定されます。ラウンジでたくさん稼いだ翌年は、当然、住民税の額も高くなります。所得税だけでなく、住民税の納税資金も、あらかじめ計画的に準備しておくことが大切です。
LINEを追加したらスタンプを送ってくださいませ!
担当者から返信があるので、希望の日時をお伝え下さい!
1人で不安な方はお友達も一緒で構いませんのでお気軽にお問い合わせください!
ラウンジをお探しなら下記から✨
サービスの流れ




10年以上港区を中心にラウンジ・キャバクラ・クラブ・ガールズバー紹介していた経験からライターに転身。
ナイトワークで働く女性の悩みや知りたいことに誰よりも知見があります。
この経験を活かし、少しでもナイトワークに興味を持って頂けると幸いです!